椋野美智子の研究室にようこそ

椋野美智子の研究室にようこそ。この部屋では、社会保障や地域と福祉について椋野美智子がかかわったこと、考えたことをお伝えしていきます。

2017/03/31

はじめての社会保障第14版を出しました

社会保障の教科書「はじめての社会保障第14版」を出しました。



社会保障は毎年必ず何か制度改正があるので、4月からの新学期に最新の内容の教科書を届けるために改訂を行っています。
1万人もの方が読んでくださる教科書なので、わかりやすく、しかも間違いがないように、改定作業はいつも細心の注意をして進めています。
昨年の制度改正は年金が中心で、1年に3つもの法改正がありました。そのうち一つ目は、確定拠出年金をすべての個人に認めるものです。2つ目は暮れも押し詰まっての成立でしたが、年金のスライド方式を改めるものです。今までの年金のスライド方式は、経済が成長し、物価は上昇し、賃金は物価を上回って上昇する、ということを前提としていました。それが崩れた厳しい現状を正面から見つめ、その上でいかに年金制度の維持可能性を高めていくか、そのための改正でした。
年金制度に限らず、人口減少、超高齢化が進むなか、社会保障は難しいかじ取りを迫られる局面が続いています。
でも、こんな時代だからこそ、私たちの生活を守り、社会の統合や政治的安定を図る社会保障は一層その重要性を増しているのです。この本が、社会保障についての理解を深める一助になってくれたらと心から願って今年も新たな版を送り出しました。